慢性首肩コリ 30代女性

これまでの経過

数年前から強い首肩コリに悩まされている。コリが強すぎて痛みが出ることもあるとのこと。
仕事ではパソコンを使ったデスクワークが主で仕事中つらくなり、指圧棒で肩を押したりして対処している。
週1でマッサージ店で首肩を中心にもみほぐしてもらっているが、その時気持ちよいだけで次の日の仕事終わりにはもどってしまうとのこと。
鍼灸治療には怖さがあり受けてなかったが、つらいため一度受けてみようとのことでご来院。

 鍼灸院としての診断

首肩周囲の筋緊張がかなり強く、頭頂部、側頭部なども押すと痛みがかなり強い。頭皮の動きも悪く、血流が悪くなっていると考えられる。
また全身の所見としては、腹部の筋緊張がかなり強くなっていること、肝に関係するツボに顕著な反応が見られていることから、肝の気の調節が失調し気滞が強いと思われる。足先が冷えており、頭頂部には熱を持っていることから上実下虚で気の偏りがかなり強くなっている。

 治療方針

著しい生命力の低下がみられることから、まず全身のツボ反応を指標にして変化を都度確認しながら生命力を上げていく針を行う。

肝の失調がつよく、気機の調節ができていないことから肝の機能を賦活させる。

首肩周囲の筋緊張を緩和させる。

 治療内容

まずは全体的な回復力を高めるツボに刺鍼し、全身の気を動かしやすい状態にする。
その後、肝の失調が見られることから、肝経のツボを用いて肝の失調を戻していく。
首肩コリには特に緊張の強いツボへの刺鍼と、同経絡上の反応が強いツボへの刺鍼を行う。また気を下げるために、失眠穴への灸を行う。

頚椎棘突起に強い圧痛がみられ、針を行うも圧痛が軽減しないとのことから、筋緊張により血流が滞り瘀血が生じていると考え、刺絡を行い瘀血を排出させる。

排出された瘀血は赤黒く量が多めだったため、かなり滞りが強かったと考えられる。

 施術回数・頻度・期間

施術回数2回。
週一回
一回目以降首肩コリが10段階で10から3くらいに減りかなり喜んでいただいた。
もう一回受けたらさらに楽になるとお伝えして、二回目でも刺絡を行った。
二回目以降は首肩コリを気にすることがなくなり、人生が変わったような気分とまでおっしゃっていただいた。現在はかなり良くなっているとのことから、月一で疲れをとるために定期的に来院

 施術後のケア

足湯をすすめた。

上実下虚で気が上に上がってしまっている状態であった。
もともと熱は上に上がりやすい性質であるのでそれをしてに抑える力が弱まってしまっているため、上に気が滞り、足先に血流がいかない。
そこでひざ下までつかる足湯を勧めた理由としては、足全体を温める効果と、足関節周囲の内臓に関するツボに温熱を与え、全身的にも血流を良くさせる目的である。

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