不眠症に対する鍼灸治療②

不眠症

不眠症は、入眠困難、寝つきが悪い、寝途中で目が覚める、早朝覚醒など、十分な睡眠を得られない症状を含む睡眠障害の一つです。この状態が長期間続くと、日中の注意力低下、イライラ、疲労感、うつ症状などが現れることがあります。不眠症の原因はストレス、不規則な生活習慣、薬物の使用、基礎的な健康問題などさまざまです。

不眠症についての解説と、当院での治療法を最後の方に書きました。

不眠症に対する鍼灸治療①はこちらから

症状

不眠症の症状は個人によって異なることがありますが、一般的な症状には以下のようなものがあります。

  1. 入眠困難: 寝つきが悪く、寝床に入ってからなかなか眠れないことがあります。
  2. 中途覚醒: 夜中や早朝に目が覚め、再び寝付けないことがあります。
  3. 早朝覚醒: 朝早く目が覚め、その後寝つけないことがあります。
  4. 日中の不調: 不眠症により日中の注意力低下、イライラ、ストレス、うつ症状などが現れることがあります。

これらの症状が慢性的に続く場合、不眠症の可能性が高く、適切な評価と治療が必要です。不眠症はストレス、不規則な生活習慣、基礎的な健康問題などから発生することがあります。

原因

不眠症の原因は多岐にわたりますが、原因としては以下のようなものがあります。

  1. ストレスと不安: 仕事、家庭、学業などのストレスや不安が不眠症を引き起こす主要な要因の一つです。心配事やプレッシャーが入眠を妨げることがあります。
  2. 不規則な生活習慣: 睡眠の規則正しいリズムを欠いた生活習慣、不規則な勤務時間、遅い夕食、寝床でのスマートフォンやコンピュータの使用などが不眠症を悪化させることがあります。
  3. 環境要因: 騒音、明るさ、寝具、寝室の温度、寝室の快適さなどが睡眠に影響を及ぼすことがあります。
  4. 身体的要因: 疾患や病状、特に慢性疾患、疼痛、アレルギー、喘息、胃酸逆流などが睡眠に悪影響を及ぼすことがあります。
  5. 薬物や飲酒: 制限のないカフェイン摂取、アルコール、一部の薬物や薬剤の使用が入眠や睡眠の質に悪影響を与えることがあります。
  6. 精神的健康状態: うつ病、不安障害、統合失調症などの精神的健康問題が不眠症の原因となることがあります。
  7. 年齢: 年をとるにつれて、睡眠の質や量が変化することがあり、特に高齢者において不眠症のリスクが高まります。

不眠症の原因は個人によって異なり、複数の要因が影響し合うこともあります。原因を特定し、それに合わせた治療やアプローチが重要です。

不眠症に対する現代医学的治療法

不眠症の治療には、以下のような現代医学的アプローチがあります。

  • 薬物療法
  • 認知行動療法(CBT-I)
  • 睡眠ハイジーン
  • ストレス管理
  • 包括的な健康評価
  • 睡眠日誌の記録

それぞれについて詳しく解説してみます。

  1. 薬物療法: 医師が処方する睡眠薬や抗不安薬を使用することで、入眠や睡眠の維持を改善することがあります。ただし、これらの薬物は長期間の使用には向いていないことがあり、依存症のリスクがあるため、慎重に使用する必要があります。
  2. 認知行動療法(CBT-I): 認知行動療法は不眠症の治療において非常に効果的であり、不眠症の原因に焦点を当て、改善策を見つけるのに役立ちます。睡眠ハイジーン、寝床の関連付け、リラクセーションテクニックなどが含まれます。
  3. 睡眠ハイジーン: 睡眠習慣を改善し、良質な睡眠を促進するための方法を実践します。これには、寝る前のルーチンの整備、寝室環境の最適化、カフェインやアルコールの制限などが含まれます。
  4. ストレス管理: ストレスが不眠症の原因である場合、ストレス管理テクニック(瞑想、深呼吸、プログレッシブ・マッスル・リラクセーションなど)を学び、実践することが重要です。
  5. 包括的な健康評価: 不眠症の原因が身体的な問題に関連している場合、医師は慢性疾患やその他の健康問題を評価し、治療に取り組むことがあります。
  6. 睡眠日誌の記録: 睡眠日誌をつけて睡眠状態を追跡し、問題の特定や治療の進捗をモニタリングします。

不眠症に対する東洋医学的治療法

東洋医学的視点から見ると、不眠症はしばしば「上実下虚」という状態に関連しています。この状態は、体内の「気」が不均衡となり、上半身、特に胸部や頭部に過剰に集中し、下半身や腹部などの下の部分では「気」が不足している状態を指します。

人体において、重要な臓器や器官は通常上半身に位置しています。脳や心臓などがその代表例です。手や足が一部機能を失っても生存は可能ですが、脳や心臓などの主要臓器が損傷を受けると生命の維持が難しくなります。

体が疲れると、生命維持のために上半身に血液やエネルギーを供給しようとし、その結果、首や肩の緊張などが生じます。この状態を「上実」と呼びます。

同時に、上半身への血液供給が増えるため、下半身では血流が減少し、冷えや衰弱などの症状が現れやすくなります。この状態を「下虚」と言います。

鍼灸療法は、上部に偏った気を下げるだけでなく、この不均衡の原因を取り除くアプローチを採用します。

原因は多岐にわたり、古傷、ストレス、食事、睡眠、運動、健康に有益と思われる習慣などが絡み合うことがあります。特に「古傷」に関しては、過去に首に軽い怪我をしたり、サッカーでボールに頭を打たれた経験など、小さな刺激でも将来的に大きな問題となる可能性があります。

古傷に対する治療として、「刺絡療法」という鍼治療が適用されます。古傷はしばしば血液の滞留を伴うため、皮膚を刺して滞った血液を取り出す刺絡療法が必要となることがあります。当院ではこの刺絡療法を得意としています。

要するに、「上実下虚」という状態を改善することで、脳の緊張が和らぎ、睡眠の質が向上する可能性があります。

 

tomoshin0911@gmai.com

03-6417-1114

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