足の冷えは頭痛につながる!
頭痛について
頭痛持ちと言われる、慢性的な頭痛をお持ちの方は全国でおよそ3000万人ほどいるといわれています、かなり多い数字です。
とくに働き盛りの30~50代に多いと言われています。全国に3000万人と言われていますので大体3人に一人は頭痛を持っているということになります。
頭痛持ちの方はたくさんいらっしゃいますが、約7割の人が頭痛で病院を受診されたことがないようです。市販の鎮痛薬で痛みを抑え紛らわせている方が多いのが現状です。
しかし、病院へ受診しても検査結果に異状がなければ、異常無しと診断されて鎮痛薬を処方されるだけです。
東洋医学的に頭痛は頭だけの問題ではない
病院では頭痛を訴えると頭部CT検査や頭部MRI検査、血液検査などをして脳内出血や炎症がないかを調べます。つまり頭痛の原因を頭部だけで探していることになります。
東洋医学的な整体観念では人体を頭部のみだけなどのパーツオンリーで見ることはしません。なぜなら人体を一つのものと考え、一つの身体の弱りが頭痛という症状として出ていると考えます。
例えば、片頭痛でズキズキと脈打つ痛みが出たとします、この時血液が頭部に集中してきていることになるのですが、頭部に集まってきた分だけどこかの血液が減っていることになります。このように体の中での一つの現象には必ず裏で別の現象が起こるのです。ですので一つの現象のみを診るだけで治療しても本当の根治にはつながらないのです。
足の冷えが頭痛につながる!
最初の題名、「足の冷えが頭痛につながる!」について述べます。
上記で述べた通り体の中で起こる一つの現象の裏には別の現象が必ず存在しています。
体を見ると頭は上にありますね、そして下には足があります。とても単純なことですが、上に血流が上がってしまうとその分、下の血液量が減少します。ですので頭に血が上るような頭痛がある人は同時に足の冷えが起こるのです。また足の冷えだけでなく、下半身の症状、足がつる、足裏が乾燥しやすい、ふくらはぎがつる、女性であれば月経痛(生理痛)、月経不順等の症状が出ることがあります。
そして頭痛をお持ちの方は同時に首肩コリを持っている人が多いです。頭痛、首肩コリを持っている状態というのは体の上の方がかなり緊張してしまっている状態で、血流もうっ滞しやすい状況です。上部に血流がうっ滞してしまうと下半身への血流が悪くなります。東洋医学的には上部が緊張していて血流も滞っている状態を、気が上にあがってしまっている状態と言います(実状態)。そして同時に下部の気が不足してしまうのです。この状態を👇
上が実している下が虚している
「上実下虚」(じょうじつかきょ)
といいます。
この上実下虚という考えから、頭痛と足の冷えはとても関係があるものと考えるのです。
足を温めればいいわけじゃない!
上の内容を読んで、「じゃあ足温めればいいのね!」と思った方もいらっしゃるかと思います。たしかに足を温めるのも症状を抑える一つの方法ですが、それもただ鎮痛薬を飲むのと変わりません。
東洋医学的には、気が偏りなく全身にめぐっている状態が最上の状態なのですが、頭痛の場合気が上に偏ってしまっている状態です。
人体の気というのは上にあがりやすい性質を持っています、熱も気の一種ですが熱は上にあがる性質がありますよね?これと同じで気は基本的に上にあがりやすいです。
正常な体ではこの上にあがってしまいやすい気を抑えて、下半身にも巡らせるように働いています。しかしこの気を全身にめぐらせる根源的な力が不足することにより、気の偏りが起こりやすくなるのです。気の偏りがおこると症状が出てくるわけです。
ですので、この気を全身にまんべんなく行き渡らせる根源的な「生命力」を回復させていかなければ根治はできないのです。
東洋医学をベースにした治療では、この全身の気をまんべんなくさせるために行います。気をまんべんなくさせるというだけでなくその巡らせる力、根源的な「生命力」を回復させていくことを目的にします。
ですので症状の出ている場所だけを治療するのではなく全身を治療することが不可欠なのです!!
院長 新垣智一