腰痛の原因を東洋医学の視点から

腰痛

毎日腰痛に悩まされている方、疲れると腰痛が出てくる方、腰痛を常にお持ちの方はかなり多くいらっしゃいます。

腰痛には様々な病気がもとになって起こることがあります。代表的なので言いますと、「腰部脊柱管狭窄症」「腰椎椎間板ヘルニア」などの整形外科的なものから、腎臓の病気から来る腰痛もあります。腎臓などの病気が原因で出てくるものとしては「慢性腎盂腎炎」などがあります。この慢性腎盂腎炎の腰痛は鈍痛であることが特徴です。

またぎっくり腰と言われる「急性腰痛」、なったことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このように腰痛といっても様々な腰痛があります。内臓から来る腰痛は特に注意しなくてはなりません。早急に医療機関を受診する必要があります。

鍼灸治療と言えば腰痛に効く！

鍼灸治療ときいて多くの方は腰痛や肩こりを治すものと答えるでしょう。

鍼灸治療は腰痛肩こりなどの整形外科的な疾患を診ますが、内科的な疾患から精神的なもの、自律神経の乱れなど緊急で外科手術が必要なもの以外でしたらほとんど鍼灸治療で対応することが可能です。

東洋医学をベースにした鍼灸治療の場合、身体を部位ごとに治療することをせず、全身を整えることを考えます。体をパーツごとで考えず一つのものとして考えて治療していきます。ですので腰痛だろうとうつ病だろうと、逆子だろうと、治療対象は「症状」ではなくその「人」が治療対象になるのです。

とはいっても実際鍼灸院にいらっしゃる症状で多いのは、「腰痛」「肩こり」などの整形外科的疾患なのです。

腰痛ですとシップを張っても痛みが治まらない、病院での治療が効果ない、手術を勧められたが保存療法で治したいなどといった方が多くいらっしゃいます。

腰痛の痛みは比較的最初の一回目で痛みが治まることが多いです。鍼は鎮痛効果が高いことが科学的に分かっています。ですので痛みを取ることは鍼治療の得意なところなのです。

痛みを取ることは患部に針を打てば大体収まります。これは多くの鍼灸師ができることでありますが、腰痛の出づらい体に変えていくことを考えながら鍼灸治療をする先生もいらっしゃいます。ここで全身を一つとして診るという見方が出てきます。

鍼は確かに腰痛にとても効果的です。痛みをとるのにとても効果的です。

ですが症状を取るだけの表面だけの治療ではいけないと私は考えます。

全腰痛の本当の原因

全ての腰痛の本当の原因。原因はさまざまあると上記で述べましたが、すべての腰痛（内臓から来る腰痛も含む）の原因は一つなのです。

それを当院では生命力の低下によるものと考えます。

生命力とは私たちが生きているのを保たせている根源的な力のことを言います。

生命力は生まれた時が100パーセントあるものです。そこから年をとるにつれその生命力はどんどん低下していき、生命力が尽きると死に至ります。

この生命力は自然的な死を迎えるまでゆっくり少しづつ減っていくものですが、途中で大きな病気や怪我を起こすと正常な生命力の低下よりもさらに大きい生命力の低下を引き起こし、生命を死に近づけます。

この正常な生命力の低下より激しい生命力の低下を起こしたとき人間の体に様々な症状が現れるのです。それは「腰痛」としてまたは、「頭痛」「うつ病」「がん」といった病気や症状として生命力の低下が現れてくるのです。

この異常な生命力の低下を基に戻していく、正常な生命力に戻す手助けをしていくのが治療ということになります。

どんな病気でも大本をたどると生命力の低下によるものと考えざるを得ないのです。

科学的には目に見える世界での原因を言っていますが、その原因がなぜ起こるのかということまでは説明できません。

そもそも目に見える世界が本当に存在しているのかどうかも怪しいと量子物理学では言われたりしています。これは話し出すと長くなるのでまた今度にします。

とにかく、現れる症状の原因を生命力の低下にフォーカスすることによりすべての病気が対応可能になります。

またこの生命力を低下させている原因もまたいろいろあるのでこれは問診を通してよく聞いていきます。昔転んで頭を強く打ったや、交通事故で大きな衝撃を受けたなどこういったものはあとへの影響がとても大きくいろんな症状として出ることがあります。

そして、この昔のケガや衝撃を受けたところを処置すると今出ている症状も治っていくことがあるのです。

私は腰痛を単純そうに見えてかなり難しい疾患の印象を受けています。ですので問診で詳しく聞くことと、身体診察で詳細に体の情報を取るようしています。

現代医学による腰痛治療の限界

現代医学による腰痛治療の限界について。

腰痛治療で多いのがシップを処方されることではないでしょうか。また腰椎などに問題があったら手術をしていくと思います。

シップや手術で助けられている方も実際にいらっしゃいますので、それを下に見て馬鹿にするということはできませんが、この治療だけで十分なのだろうかとは思います。

なぜなら、例えば腰部脊柱管狭窄症で骨の位置を正常な位置にもどし固定し神経を圧迫しないようにするとします。原因はこれで解決できたと見えますが本当にそうなのでしょうか？

なぜそう思うのかと言えば、神経を圧迫してしまうほどに骨がずれてきてしまった原因を治したわけではないと思うのです。

例えば、何かしらの原因で腰部の血流が少なくなり、それによって腰の骨や靭帯が栄養されないためにそれらが弱まって動いてしまったのだとすれば、そのように骨が動いてしまわないように強くしていくことが必要なのではないでしょうか。

現代医学では画像だけで診断を行いなぜそれが起こるのかということはあまり考えません。だいたいが「年のせい」と言われておわりです。かなりいい加減な印象を持っています。年のせいであればみんな年をとれば必ず腰部脊柱管狭窄症にならなくてはいけないのです。でも年をとってもならない人は多くいらっしゃいます。というよりならない方が多いです。

現代医学ではなぜ起こったのかというところは考えず、起こってしまったものを治すと考える傾向が強いのです。

この考え方、見方は限界を迎えてきています。

ですが、このような現代医学の考え方と、それを補う東洋医学の整体観念を一緒に行えばかなり大きな力になると思っています。

大森くれよん鍼灸院院長　新垣智一