肩こりが頭痛や吐き気を引き起こすメカニズム

肩こりが頭痛や吐き気を引き起こすメカニズム

肩こりの本質

肩こりは、緒筋(筋肉の結びつき)の緊張によって生じ、その部位に疲労感、張る感じ、痛み、または鈍痛感が自覚され、圧迫されると痛みや快感を伴う状態とされています。

漱石の造語

「肩がこる」 肩こりは首の後ろから肩、肩甲骨周りに広がる痛みや鈍痛を指し、この言葉は夏目漱石によって造られました。肩の関節は鎖骨、上腕骨、肩甲骨から成り、17の筋肉がそれぞれの役割を果たしています。

代表的な筋肉

:僧帽筋 その中で代表的なのが僧帽筋で、副神経に支配されており、脳の疲労度が高まるとこの筋肉が硬くなりやすい特徴があります。肩こりの原因は筋肉、精神、脳の三つに分かれ、姿勢や胸式呼吸のクセ、過去の事故などが筋肉的要因として挙げられます。

ストレートネックの影響

特に現代社会ではスマホやパソコンなどによる前傾姿勢が増え、これがストレートネックの原因となります。ストレートネックも肩こりを引き起こす一因であり、骨の構造にも注視が必要です。

精神的な要因

精神的な要因も考慮され、肩にある僧帽筋が副神経に支配されているため、脳の疲労や精神的なストレスが影響します。風の邪気や寒の邪気といった東洋医学の視点からも寒邪が肩こりを悪化させる可能性があります。

他の病気との関連

肩こりは他の病気からも影響を受け、口腔の問題、耳鼻咽頭の疾患、眼の問題、姿勢の問題、内科的な問題、精神的な問題などが原因となり得ます。これらの疾患からくるストレスや疲労が肩こりを悪化させることがあります。

鍼灸のアプローチ

肩こりに対する鍼灸のアプローチは、頚椎から始まり肩甲骨までの筋肉のトリガーポイントに行います。血流の低下を防ぐために毛細血管を広げる鍼灸が行われ、普段の姿勢によってかたまった背骨の調整も行います。効果的な施術であれば、3回の鍼灸で効果が見られることが多く、軽度な場合は1回でも改善が期待されます。

又当院では積聚治療という治療法を行っており、全身の生命力を高めていくことを重点に置きながら施術していきます。全身を対象にしたこの治療方法を行うことにより、肩こりの出づらい体に変えていくことができます。

異常な肩甲挙筋と脳の過覚醒の対応

具体的な施術事例として、40代女性の肩こり。

彼女は自律神経の変調により交感神経が持続的に亢進している状態で、カウンセリングにより肩甲挙筋のこりと脳の過覚醒が確認されました。これに対し、肩甲挙筋のこりの除去と脳の過覚醒の開放が行われ、積聚治療を用いた施術が行われました。これにより、女性の肩こりが改善していきました。

まとめ

肩こりは筋肉、精神、脳の複合的な要因によって引き起こされます。適切な鍼灸施術により、筋肉のトリガーポイントを解放し、脳の過覚醒を和らげることが期待されます。日常生活での姿勢や習慣にも注意し、症状改善に向けたトータルなアプローチが重要です。

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