テニス肘(外側上顆炎)に対する鍼灸治療
大田区中央1丁目にございます、大森くれよん鍼灸院の新垣です。
この記事は「テニス肘」の症状、原因、治療法の解説になります。お悩みの方は是非ご一読ください。
テニス肘(外側上顆炎)症状
外側上顆炎、一般に「テニス肘」とも呼ばれる状態は、テニスプレーヤーの約30〜50%が経験することがありますが、スポーツ選手以外の人々もこの症状に悩まされることがあります。この病気は、肘の外側部分、特に外側上顆と呼ばれる部位に炎症が生じることによって引き起こされます。通常、テニスのバックハンドを打つ動作などで痛みが顕著になりますが、日常生活の中で物を掴んだり、重いものを持ち上げたりする動作でも痛みが出ることがあります。
初期段階では、主に運動をしているときに肘に痛みを感じるものの、休息時には痛みが収まることが多いです。しかし、病状が進行すると、休んでいる時でも持続的なズキズキとした痛みが生じ、この痛みが日常生活のさまざまな面に影響を及ぼすようになります。一度症状が改善しても、スポーツなどの活動を再開した際には簡単に再発することが多く、長期にわたり悩まされることも少なくありません。
このため、外側上顆炎は非常に治りにくく、一度発症すると慢性化しやすいとされています。適切な治療と適切な活動再開のタイミングの把握が重要であり、治療が遅れると症状の悪化や再発を招くことがあります。したがって、肘に痛みを感じたら早めに専門家の診断を受け、適切な治療を開始することが推奨されます。
テニス肘(外側上顆炎)原因
- 反復動作の過剰なストレス:ラケットを握って振る動作を繰り返すことで、肘の外側の腱に過剰なストレスがかかり、炎症や痛みを引き起こします。
- 加齢による腱の柔軟性の低下:年齢とともに腱の柔軟性が低下し、小さな負荷でも炎症を起こしやすくなるため、中年以降の人々に多く見られます。
- 不適切なスポーツ機器の使用:ラケットのサイズや張力が適切でない場合、不必要な負担が肘にかかり、炎症のリスクを高めます。
- スポーツや職業活動における技術の問題:不適切な打ち方や、職業的な手作業で不適切な姿勢を続けることも、炎症を引き起こす要因となります。
テニス肘は、中年以降のテニス愛好家に多く見られることからその名がついており、主に手首を伸ばす短橈側手根伸筋の肘外側の障害により発症します。
この症状はテニスのほか、バドミントンや卓球、剣道、ゴルフなど腕を酷使するスポーツで起こりやすいです。また、ラケットの使い方が不適切だったり、整備不良であることも影響します。
重いものを持つ仕事や料理人、大工などの職業も発症リスクを高めます。さらに、加齢による筋力の低下や腱の強度の低下もテニス肘の発症に寄与します。
テニス肘(外側上顆炎)に対する鍼灸治療
当院では、テニス肘に対する鍼灸治療で疼痛の軽減、関節可動域の拡大、炎症の抑制を目指しています。また、すべての病気は「生命力の低下」によって引き起こされると考えているため、テニス肘でも生命力を高める治療を行っています。生命力を高めることで、症状は消失していきます。
テニス肘に対する鍼灸治療では、以下の二つを同時に行います。
① 根本的な生命力を上げる
すべての病気は生命力の低下によって引き起こされると考えられます。テニス肘も生命力の低下が原因とされています。鍼灸治療では、生命力を高める施術を行います。テニス肘の場合、肘や周囲のツボの反応、炎症が起きている部位自体がツボになり反応が現れます。
鍼灸を施しながら、症状の出ている部位や関係する部位の変化を確認しつつ治療を進めていきます。
炎症にはお灸が効く!
実は炎症にはお灸がとても効くのです!テニス肘も炎症が起きている状態ですが、この炎症の起きているところに直接お灸をすると痛みが比較的すぐに引いてきます。
東洋医学的に炎症はその部位に熱が必要であるからそこに熱が集まり炎症が起きていると考えます。ですので外部から熱を加えてあげればわざわざ熱を集める必要がなくなるので症状も改善してきます。
② 生命力を低下させる要因を取り除く
生命力を低下させる要因も同様に重要です。古傷や生活環境が生命力を下げる原因となります。古傷の場合、鍼灸により瘀血を排出させることで痛みの要因を取り除きます。また、生活環境に関しては、問診を通じて日々の生活状況を詳しく把握し、原因を特定して改善します。
テニス肘は東洋医学でいう「実」「熱」の症状が強いです。これは、熱を抑える力が弱っているために「熱」の症状(炎症や発赤、発熱など)が出ていると考えられます。これには、ただ出ている熱を取るのではなく、熱を抑えられる力を高めることが最も必要です。生命力が低下すると、この熱を抑える力が低下して症状が出現します。
中々改善しないという方は一度当院へご相談ください。現代医学とは異なる視点から見る東洋医学により、改善と完治へのお手伝いができます。