大田区中央1丁目にございます、大森くれよん鍼灸院の新垣です。
この記事は「腱鞘炎」の症状、原因、治療法の解説になります。お悩みの方は是非ご一読ください。
腱鞘炎の症状
腱鞘炎は、炎症が生じた腱鞘の周囲に痛み、腫れ、発赤、熱感などが現れる状態です。指や手首に痛みが生じ、腱鞘が腫れて狭くなるため、腱の動きが妨げられ、指の動きが悪くなるのが特徴です。
初期段階では、手や指に軽い痛みや違和感を感じることがあります。特定のタイミング、例えば指を強く握り込んだ時、朝起きた直後、またはたくさん指を使った後に痛みを感じる場合があります。痛みがない場合でも、指や手首の動かしにくさを感じることがあります。
腱鞘炎の原因
腱鞘炎は、腱とそれを包む腱鞘の間に炎症が生じる病気です。特に親指を伸ばしたり広げたりする腱と腱鞘に炎症が起こると、手の甲に腫れや痛みが発生し、親指を動かすと手首が痛むことがあります。長時間のスマホ使用による「テキストサム損傷(text thumb injury)」としても知られています。
腱鞘炎は発生場所により名称が異なり、手指の付け根に生じると「ばね指」、手首の親指側に生じると「ドケルバン病」と呼ばれます。
女性に多い腱鞘炎の理由
腱鞘炎は珍しい病気ではありません。過去のデータによると、ばね指やドケルバン病などの狭窄性腱鞘炎は、日本では年間10万人あたり28人が発症し、年間約4万人が影響を受けています。生涯有病率は2.6%であり、100人に2人以上が人生のどこかで腱鞘炎になる計算になります。
腱鞘炎は特に40代から60代の更年期や閉経期の女性、そして妊娠出産期の女性によく見られます。しかし、なぜこの時期の女性に多いのかは明確にはわかっていません。
この時期は女性ホルモンの変動が大きくなるため、腱鞘炎の発症に女性ホルモンが関係しているという説があります。ホルモンの変動や体の変化によって生じるむくみにより、腱鞘内を通る腱の動きが妨げられ、腱鞘と腱が擦れ合うことで炎症が生じるという考え方もありますが、正確な原因はまだ解明されていません。
さらに、糖尿病も腱鞘炎の発症に関係があります。糖尿病の人は毛細血管の機能が低下するため、組織がむくみやすくなり、その結果として腱鞘炎が発症しやすくなります。
腱鞘炎に対する鍼灸治療
当院では、腱鞘炎に対する鍼灸治療で疼痛の軽減、関節可動域の拡大、炎症の抑制を目指しています。また、すべての病気は「生命力の低下」によって引き起こされると考えているため、腱鞘炎でも生命力を高める治療を行っています。生命力を高めることで、症状は消失していきます。
腱鞘炎に対する鍼灸治療では、以下の二つを同時に行います。
①根本的な生命力を上げる
すべての病気は生命力の低下によって引き起こされると考えられます。腱鞘炎も生命力の低下が原因とされています。鍼灸治療では、生命力を高める施術を行います。腱鞘炎の場合、関節や周囲のツボの反応、炎症が起きている腱鞘自体がツボになり反応が現れます。
鍼灸を施しながら、症状の出ている部位や関係する部位の変化を確認しつつ治療を進めていきます。
炎症にはお灸が効く!
実は炎症にはお灸がとても効くのです!腱鞘炎も炎症が起きている状態なのですが、この炎症の起きているところに直接お灸をすると痛みが比較的すぐに引いてきます。
東洋医学的に炎症はその部位に熱が必要であるからそこに熱があつまり炎症が起きていると考えるのです。ですので外部から熱を加えてあげればわざわざ熱を集める必要がなくなるので症状も改善してくるのです。
②生命力を低下させる要因を取り除く
生命力を低下させる要因も同様に重要です。古傷や生活環境が生命力を下げる原因となります。古傷の場合、鍼灸により瘀血を排出させることで痛みの要因を取り除きます。また、生活環境に関しては、問診を通じて日々の生活状況を詳しく把握し、原因を特定して改善します。
腱鞘炎は東洋医学でいう「実」「熱」の症状が強いです。これは、熱を抑える力が弱っているために「熱」の症状(炎症や発赤、発熱など)が出ていると考えられます。これには、ただ出ている熱を取るのではなく、熱を抑えられる力を高めることが最も必要です。生命力が低下すると、この熱を抑える力が低下して症状が出現します。
中々改善しないという方は一度当院へご相談ください。現代医学とは異なる視点から見る東洋医学により、改善と完治へのお手伝いができます。
大森くれよん鍼灸院積聚治療のながれ