筋肉痛に対する鍼灸治療
筋肉痛とは?
筋肉痛は、運動後に起こる筋肉の痛みで、主に遅発性筋痛として知られており、運動後数時間から翌日~翌々日に現れます。
慣れない運動や普段使わない筋肉の使用によって顕著になります。かつては乳酸が原因とされていましたが、現在では乳酸は再利用可能なエネルギー源であることが分かり、「乳酸は疲労物質ではない」とされています。
新しい説では、運動によって筋繊維が微細な損傷を受け、修復過程で炎症が引き起こされ、痛みが生じるとされています。
筋肉痛の原因
最近の説では「乳酸」が原因ではないと言われている
筋肉痛のメカニズムは医学的にははっきりと解明されていません。かつては運動で生じる疲労物質「乳酸」の蓄積が原因とされていましたが、現在ではこの説は否定され、運動によって傷ついた筋線維を修復する際に起こる痛みが有力とされています。
普段使わない筋肉を突然使ったり、同じ筋肉を使いすぎたりすると、筋肉を構成する筋線維や周りの結合組織に微細な傷がつきます。この損傷を修復するために白血球を中心とした血液成分が集まり、炎症が起こります。炎症の際にブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンなどの刺激物質が生成され、筋膜を刺激して痛みを感じます。
筋線維そのものには痛みを感じる神経がありませんが、炎症が広がり、痛みを生み出す物質が筋膜に届くことで痛みを感じるようになります。筋肉痛が遅れてやってくるのはこのためです。つまり、筋肉痛とは傷ついた筋線維を修復する過程で炎症が起き、生成された刺激物質が筋膜を刺激して起こるものと考えられています。
筋肉痛に対する鍼灸治療
筋肉痛に対する鍼灸治療法では、疼痛の軽減、筋肉の柔軟性の向上、炎症を抑え、完治を目指します。また当院では全ての病は「生命力の低下」から起こると考えていますので、筋肉痛でも生命力を上げる治療を行います。
生命力を上げていけば症状は消失していきます。
筋肉痛に対する鍼灸治療では、以下の二つを同時に行います。
①根本的な生命力を上げる
すべての病気は生命力の低下によって引き起こされます。筋肉痛も生命力の低下が原因と考えられます。鍼灸治療では、生命力を高める施術を行います。筋肉痛の場合、筋肉や周囲にツボの反応が現れ、炎症の起きている部位自体がツボとなります。
鍼灸をしながら、症状の出ている部位や関連している部位が変わっているかを確認しながら治療を進めていきます。
血流の促進を行う
筋肉痛は筋線維の損傷によっておこることが言われています。この損傷を早期治すためにはやはり血流を行くようにしなければなりません。そのために足だけでなく全身の巡りを良くすることにより、回復を促します。
それと同時に血流が促進されんますので発痛物質もながされ痛みが軽減していきます。これは施術中でも痛みが引いてくるの感じれると思います。
②生命力を低下させる要因を取り除く
生命力を低下させる要因も同様に重要です。古傷や生活環境などが生命力を下げる原因となります。古傷の場合、鍼灸により瘀血を排出させることで痛みの要因を取り除きます。また、生活環境に関しては、問診を通じて日々の生活状況を詳しく把握し、原因を特定して改善します。
筋肉痛は東洋医学でいう「実」「熱」の症状が強いです。これは反対にある熱を抑える力が弱っているために「熱」の症状(炎症や発赤、発熱等)が出ていると考えられます。これにはただ出ている熱を取るのではなく、熱を抑える力を高めることが一番重要です。生命力が低下すると、この熱を抑える力が低下して症状が出現するのです。
どうも中々改善しないという方は一度当院へご相談ください。現代医学とは違った視点から見る東洋医学により改善、完治へのお手伝いができます。
自律神経の過緊張も筋肉痛に関係してくる
筋肉痛には自律神経も関係してきます。どういうことかと言いますと、使いすぎた筋肉は硬くなりやすい傾向にあります。それは筋肉を守ろうとして自律神経が筋肉を硬くて損傷されづらいようにするのです。
この自律神経の過緊張も鍼灸で抑えていくことにより筋肉痛の早期治癒、疼痛緩和につながっていきます。