寝ちがいに対する鍼灸治療
大田区中央1丁目にあります、大森くれよん鍼灸院の新垣です。
寝違いとは
朝目覚めたとき、首の後ろや首から肩にかけて痛みを感じることがあります。いわゆる「寝違え」です。首を動かすと痛みが出ることもあり、時には痛みで首を動かすことができないこともあります。
寝違いの原因
寝違いがおこってしまう原因はいろいろ考えられます。よくある原因を上げてみました。
①睡眠時の姿勢
寝違えの主要な原因は、睡眠中の「姿勢」にあります。不自然な姿勢で寝返りが打てない状態で眠り続けると、一部の筋肉が血液供給不足の状態、すなわち阻血に陥ります。通常、体勢が苦しい場合は無意識に寝返りを打ち、首に負担がかからない体勢に戻りますが、寝返りが打てない環境では、長時間にわたり首まわりの筋肉に負担をかけ、寝違えを引き起こすことがあります。
②枕やマットレスなどの寝具
寝具については様々な見解があります。枕の「高さ」が合わないと姿勢が不自然になり、『寝違え』を引き起こすと言われています。また、マットレスの沈み込みも原因の一つとされ、商品競争も活発です。寝具において最も重要なポイントは、睡眠環境と同様に「寝返りがスムーズにできること」です。したがって、自分に合った寝具を総合的に考えることが大切です。
③自律神経の乱れ
デスクワークや家事で長時間同じ姿勢を続ける人、運動不足の人、頭を使う作業が多い人は、睡眠に入ってもリラックスできず、常に首の筋肉に力が入ることで過度なストレスがかかり、寝違えを引き起こすことがあります。
④内臓機能の低下
食べ過ぎや飲み過ぎにより内臓機能が低下し、寝違えの原因となることがあります。舌診によって内臓(消化器や肝臓など)の疲れを確認することができます。特に飲酒後は筋肉内の血流が低下しやすく、酔っていると寝返りの回数も減るため、『寝違え』を起こしやすくなります。当院では自律神経測定や舌診(東洋医学的観点からの体調確認)を行い、「寝違え」の患者さんの体調を確認しています。また、自分の体調を理解することで、『寝違え』の予防も行っています。
寝違いに対する鍼灸治療
寝ちがいは急性のものですので、比較的軽いモノと考えます。
急性症状は比較的かるいものでありすぐに治りやすいです。
自律神経の乱れを整える
鍼灸治療は自律神経を整えるのが得意です。寝違いをしてしまう原因として自律神経の乱れがかかわっていることがあります。それは副交感神経にしっかり切り替わらず、神経が興奮したままで寝てしまうと体に力が入ってしまい無理な姿勢でずっと寝たり、変な力を入れやすい状況になり、寝違いとなって症状が現れるのです。
ですので、睡眠状況が良くないと思われるようでしたらそこも注目して寝違いのなりづらい体質に変えていきます。
生命力を高める
基本的に、寝違えに対する鍼灸治療は生命力を高め、問題にしっかり対抗できる体にしていきます。鍼灸治療によって痛みなどの症状の軽減や改善が期待できます。寝違えに対する鍼灸治療では、以下の二つを同時に行います。
①根本的な生命力を上げる
すべての病気は生命力の低下によって引き起こされます。寝違えも生命力の低下が原因です。鍼灸治療で生命力を高める施術を行います。寝違えの場合、首や肩に症状が現れ、上半身にツボの反応が出ることが多いです。上半身のツボの反応を指標にしながら治療を進めます。寝違えでは痛みやこわばりという症状がよく出ますが、治療中にこれらの症状が和らいでくることもあります。
②生命力を低下させる要因を取り除く
そしてもう一つ、生命力を低下させる要因の除去も同様に重要です。古傷や生活環境の中に生命力を下げる原因が潜んでいることがあります。古傷の場合、しっかり治っていなかったりすると、その部位に圧痛があったり癒着が強く残っていることがあります。鍼灸によって瘀血を排出させたり、癒着を剥がしたりすることで、生命力を低下させている要因を取り除きます。また、生活環境に関しては、問診を通じて日々の生活状況を詳しく把握し、原因を導き出し改善します。以上のように、寝違えの鍼灸治療では、生命力の向上と低下要因の除去を並行して行います。