変形性膝関節症に対する鍼灸治療
みなさんこんにちは、大田区中央1丁目にございます大森くれよん鍼灸院の新垣です。
変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が徐々にすり減り、歩行時や動作の際に膝の痛みを引き起こす病気です。初期の症状としては、平地での歩行は問題ないものの、階段の昇降時に痛みが生じたり、正座が困難になることがあります。この病気は特に女性に多く見られ、男女比は1:4で女性に多く、高齢になるほど罹患率が高まります。
主な症状は膝の痛みと関節に水がたまることで、初期では立ち上がりや動作開始時に痛みが出るものの、休むと痛みが軽減します。しかし、中期になると正座や階段の昇降が困難となり、末期には安静時にも痛みがとれず、関節の変形が進行して膝が伸びず、歩行が困難になります。
この病気は高齢者に多く見られ、特に女性に多いという特徴があります。膝関節表面の軟骨が長期間にわたって少しずつすり減ることで、関節の変形や症状が徐々に現れます。一度すり減った軟骨は自然に治ることはありません。
変形性膝関節症の原因
変形性膝関節症(膝OA)の原因は多岐にわたり、以下のような要因が関与しています。
1. 加齢
加齢は変形性膝関節症の主な原因の一つです。年齢と共に関節の軟骨が自然に摩耗し、回復力も低下するため、膝OAのリスクが高まります。
2. 性別
女性は男性に比べて膝OAを発症するリスクが高いです。ホルモンの変化や骨密度の低下が影響していると考えられています。
3. 遺伝
家族に膝OAを患っている人がいる場合、自身も発症するリスクが高まります。遺伝的な要因が関与している可能性があります。
4. 肥満
体重が増えることで膝への負担が増加し、軟骨の摩耗が早まります。肥満は膝OAのリスクを大幅に高める要因です。
5. 過度の負荷
職業やスポーツ活動などで膝に過度な負担をかけ続けると、関節の摩耗が進行しやすくなります。
6. 外傷
膝に外傷を負った場合(例:骨折、靭帯損傷)、その部分の軟骨が傷つき、将来的に膝OAを引き起こすことがあります。
7. 筋力の低下
膝周辺の筋力が低下すると、関節への負荷が増加し、軟骨の摩耗が進行します。特に大腿四頭筋の筋力低下は膝OAのリスクを高めます。
8. 骨の形態異常
先天的な骨の形態異常や発育不全などがある場合、膝OAのリスクが高まります。
9. その他の関節疾患
関節リウマチなどの他の関節疾患がある場合、二次的に膝OAを発症することがあります。
変形性膝関節症に対する現代医学的治療法
変形性膝関節症に対する鍼灸治療
変形性膝関節症に対する鍼灸治療法
変形性膝関節症は膝軟骨がすり減り症状が出るのですが、鍼灸では膝軟骨を再生させることはできませんが、痛みを軽減、改善することは可能です。
痛み止めやシップでもなかなかひかない痛みに鍼灸はとても有効ですよ。
当院の変形性膝関節症に対する鍼灸治療では、以下の二つを並行して行います。
- 根本的な生命力を上げる
- 生命力を下げている要因を取り除く
① 根本的な生命力を上げる
すべての病は「生命力の低下」により起こるため、変形性膝関節症も「生命力の低下」が原因です。鍼灸治療では、生命力を高める施術を行います。変形性膝関節症の場合、膝や脚部に強くツボの反応が出ていることが多いです。これらのツボの異常な反応を消しながら治療を進めます。
特に変形性膝関節症の場合、関節の摩耗や炎症が原因となりますので、この炎症や異常な興奮を抑えることが重要です。この場合、膝や脚部、腰周りに強い圧痛としてツボの反応が現れることが多いので、これらを一緒に抑えていくことが大切です。
② 生命力を下げている要因を取り除く
生命力を下げている要因も取り除かなければなりません。要因としては「古傷」や「生活環境」があります。
古傷: 昔負ったケガの傷跡や手術痕、骨折などが古傷となる場合があります。これらの古傷を押して痛みが出たり冷えると痛みが出やすい場合、血流のうっ滞が起きており、瘀血が溜まっていることが多いです。鍼でこの瘀血を排出させることで、痛みの要因を取り除きます。
生活環境: 食生活、運動習慣、仕事環境、住居環境、人間関係など、すべての出来事や環境が生命力に影響を与えます。どれが生命力を下げている原因かは問診で日々の生活状況を詳しく伺いながら特定します。
このように、大森くれよん鍼灸院の鍼灸治療では根本的な生命力の向上とその低下を引き起こす要因の除去を並行して行うことで、変形性膝関節症の治療を進めます。