肋間神経痛に対する鍼灸治療
みなさんこんにちは、大田区中央1丁目にございます大森くれよん鍼灸院の新垣です。
肋間神経痛とは?
肋間神経痛は疾患名ではなく、肋骨に沿っている神経(肋間神経)が痛む症状を指します。痛みの種類は「急に電気が走るような痛み」や「ジクジクとした持続する痛み」などで、痛みの場所は背中から脇腹、胸の前面、おへそ辺り、まれには足の付け根まで及ぶことがあります。心臓や肺などの内臓疾患が原因の胸の痛みとは異なり、肋間神経痛は痛む場所や範囲がはっきりしており、肋骨に沿った鋭い痛みが特徴です。上半身の右側か左側のみに起こり、左右両側に起こることはありません。
肋間神経痛の原因は多様で、明確な原因がある場合を症候性肋間神経痛、原因不明の場合を特発性肋間神経痛といいます。症候性肋間神経痛の原因としては、変形性脊椎症や胸椎椎間板ヘルニア、脊椎腫瘍、肋骨骨折、肋骨腫瘍などがあります。これらの原因がある場合、特に上半身を動かすと痛みが強まり、「息ができないほど痛い」と感じることもあります。
脊椎や肋骨に原因がない場合の代表的な症候性肋間神経痛は帯状疱疹です。帯状疱疹ウイルスが神経を通って皮膚に達し、皮疹と共に「ヒリヒリ」「ジクジク」とした持続的な痛みを引き起こします。帯状疱疹による肋間神経痛は皮疹の有無に関わらず、皮膚表面の痛みが特徴です。典型的な症状としては、神経に沿った皮膚上に赤い発疹や水ぶくれが見られますが、無疱疹性帯状疱疹では皮膚に何も現れない場合もあり、激しい痛みやかゆみが続きます。
胸や脇腹の痛みは主に肋間神経がダメージを受けた場所に生じ、痛みの感じ方は人によって様々です。帯状疱疹による痛みは早めの受診が重要です。
肋間神経痛の原因
原発性肋間神経痛の原因は、明確な原因が検査で判明しない場合に診断されます。以下の2つの日常生活の状況が影響しています。
ストレス
ストレスが多くなると自律神経が乱れ、肋間神経が敏感になり痛みを引き起こします。ストレス過多の状況では筋肉がこりやすくなり、その硬い筋肉が肋間神経を圧迫して胸痛の原因となるため、ストレス解消が必要です。
不適切な姿勢
スマートフォンの普及やパソコンの使用により、不適切な姿勢が続くことで肩こりや腰痛が進行し、肋間神経痛が始まることがあります。特にデスクワークで長時間座っている方は注意が必要です。
続発性肋間神経痛の原因
続発性肋間神経痛は、神経へのダメージ・圧迫や感染などの明らかな原因が分かっている場合に診断されます。
神経へのダメージ・圧迫
肋間神経がダメージを受けたり圧迫されると、痛みやしびれが生じます。肋骨に関わる手術や肋骨骨折、胸椎椎間板ヘルニア、変形性脊椎症などが原因となります。特に脇下のしびれがある場合は胸椎椎間板ヘルニアが疑われます。
ウイルス感染
免疫力が低下すると肋間神経はウイルスに狙われやすくなります。初めて帯状疱疹ウイルスに感染した後、体内に残ったウイルスが再び活性化され神経痛が引き起こされます。疲労や風邪、打撲、圧迫骨折、筋肉の炎症などが原因で発症する場合も稀にあります。
ホルモンバランスの崩れ
ホルモン分泌のバランスが悪くなることで肋間に痛みが生じることもあります。例えば、代謝を上げるアドレナリンやノルアドレナリンのバランスが崩れると痛みが生じます。
その他の原因
狭心症も肋間神経痛と類似した症状を示すことがあります。また、くしゃみや咳、帯状疱疹、胸椎椎間板ヘルニア、変形性脊髄症、脊髄腫瘍も原因となることがあります。