三叉神経痛に対する鍼灸治療

みなさんこんにちは、大田区中央1丁目にございます大森くれよん鍼灸院の新垣です。

三叉神経痛とは

三叉神経は左右に一対あり、顔面の感覚をつかさどる神経です。三叉神経痛は、この神経が刺激されることで、鼻の横や歯ぐき、目の周りなどに激痛が生じる病気です。歯みがきや洗顔、冷たい風が顔に当たるなどの刺激が引き金(トリガー)となり、痛みが引き起こされます。時には歯の病気と誤解され、歯科治療を受けることもあります。

三叉神経痛の痛みは非常に強く、かつては自殺病とも呼ばれていました。頭蓋骨内のくも膜下腔で、脳神経と脳血管が接触すると強い痛みを引き起こすことがあります。顔の皮膚や口の中、歯と歯茎の感覚を司る三叉神経の領域に、瞬間的な激痛が発生します。痛みが激しくなると食事が困難になることもあります。

症状の特徴は以下の通りです:

  • 刺すような鋭い痛み、または電気が走るような痛み
  • 発作的で、一瞬(数分の1秒)から長くても2分程度の痛み
  • 痛み発作のないときは無症状で、他の脳神経症状を伴わない
  • 食事、歯磨き、髭剃り、化粧、洗顔などのトリガーが存在
  • 患者ごとに定型化した症状:同じ症状の繰り返し、一定の部位、決まったトリガー

三叉神経痛の原因

三叉神経は顔の感覚を脳に伝える末梢神経で、触覚、痛覚、温度覚の情報をセンサーになります。三叉神経は三つに分かれており、目から上のおでこ、目と口の間のほっぺた、口から下のあごの領域をそれぞれ担当しています。三本の枝は脳に入る前に一つにまとまり、脳幹で中枢神経に接続され、大脳で感覚として認識されます。

三叉神経痛は、三叉神経に正常な動脈が接触し、その拍動が神経を刺激することで発生します。この刺激により、神経を覆う細胞が損傷し、電気のショートのような現象が起こります。その結果、顔面に軽い刺激が加わっただけで、それが増幅されて激しい痛みとして感じられます。。

まとめると、三叉神経は顔面の感覚を司る末梢神経であり、三叉神経痛は動脈の拍動が神経を刺激することで発生する激痛を伴う病気です。症状は一瞬の鋭い痛みであり、日常生活の様々な刺激がトリガーとなります。

三叉神経痛の現代医学的治療法

三叉神経痛に対して行われる現代医学的治療方法は以下の通りがあります。

1. 薬物療法(テグレトール)

  • 概要: テグレトール(カルバマゼピン)は最も有効な薬で、初期治療として用いられます。
  • 効果: 継続使用で効果が減少し、薬の量が増加することがあります。
  • 副作用: ふらつき、眠気、血小板減少など。これらの副作用が出た場合は他の治療法を検討します。

2. 神経ブロック

  • 概要: 外来治療として行われ、三叉神経の神経節に麻酔薬を注射する方法です。
  • 効果: 簡便ですが、効果が持続しないため定期的な治療が必要です。
  • 副作用: しびれが残る場合があり、痛みが再発することもあります。

3. ガンマナイフ

  • 概要: 高線量の放射線を三叉神経に照射する治療法です。
  • 効果: 痛みの軽減や消失が期待できますが、線量の調整が難しく、しびれや治癒率の低さが問題です。
  • 適応: 全身麻酔が困難な場合や重度の全身合併症がある場合に使用されます。

4. 手術(神経血管減圧術)

  • 概要: 圧迫血管を移動させることで、痛みの原因を取り除く手術です。
  • 手術方法: 耳の後ろに小さな穴を開け、顕微鏡を用いて三叉神経を観察し、圧迫血管を移動させます。
  • 効果: 治癒率が高く、薬物の継続服用が不要になることが多いです。
  • 副作用: 聴力低下、二重視、顔のしびれ、傷の感染や髄液漏れなどがあります。再発率は10年間で約8%です。
  • 手術時間と入院期間: 手術は全身麻酔で5~6時間、入院期間は2週間程度です。

三叉神経痛に対する鍼灸治療法

三叉神経痛に対する当院の鍼灸治療では、以下の二つを並行します。

  1. 根本的な生命力を上げる
  2. 生命力を下げている要因を取り除く

① 根本的な生命力を上げる

すべての病は「生命力の低下」により起こるため、三叉神経痛も「生命力の低下」が原因です。鍼灸治療では、生命力を高める施術を行います。三叉神経痛の場合、顔や頭部、首周囲に強くツボの反応が出ていることが多いです。これらのツボの異常な反応を消しながら治療を進めます。

特に三叉神経痛の場合、血管の圧迫が原因となりますでこの血管の異常な興奮を抑えなければなりません。この場合首肩や顔面週に強い圧痛としてツボの反応が現れることがおおいですのでこれらを一緒に抑えていくことが大事です。

② 生命力を下げている要因を取り除く

生命力を下げている要因も取り除かなければなりません。要因としては「古傷」や「生活環境」があります。

古傷: 昔負ったケガの傷跡や手術痕、骨折、歯科治療などが古傷となる場合があります。これらの古傷を押して痛みが出たり冷えると痛みが出やすい場合、血流のうっ滞が起きており、瘀血が溜まっていることが多いです。鍼でこの瘀血を排出させることで、痛みの要因を取り除きます。

生活環境: 食生活、運動習慣、仕事環境、住居環境、人間関係など、すべての出来事や環境が生命力に影響を与えます。どれが生命力を下げている原因かは問診で日々の生活状況を詳しく伺いながら特定します。

このように、鍼灸治療では根本的な生命力の向上とその低下を引き起こす要因の除去を並行して行うことで、三叉神経痛の治療を進めます。

大森くれよん鍼灸院積聚治療のながれ

ネット予約 しんきゅうコンパス
電話     03-6417-1114
メール   tomoshin0911@gmail.com
この記事が良かったら、いいねして
最新記事をチェックしてください!

Twitterで

コメントを残す

入力エリアすべてが必須項目です。メールアドレスが公開されることはありません。