うつ病に対する鍼灸治療

大田区中央1丁目にあります、大森くれよん鍼灸院の新垣です。

うつ病

うつ病とは?

※まず最初に自分がうつ病かも?と思ったら病院やクリニックですぐに診てもらうことが大事です。精神科は予約が常に埋まっており、予約が取りづらく初診受付にとても待たされることがあります。ですので初診が来るまでに症状がひどくなる可能性があるので早く診てもらうことが大切です。当院では病院での治療と鍼灸治療を一緒に行うことを推奨します。

うつ病とは、強い気分の落ち込みや意欲の低下が続き日常生活に大きな影響を与える病気です。

うつ病による症状は人によって様々です、身体的な不調と心の不調が出てきます。

睡眠障害、強い倦怠感(だるさ)、疲労感、強い首肩こり、頭が重い、頭痛、便秘下痢などのおなかの異常、食欲減退、意欲興味の減退、抑うつ気分、不安、不眠、などさまざまです。

初期症状として食欲不振や不眠が続く場合があります。また体の強いだるさなどがあります。また、今まで興味のあった趣味や好きだったものに興味がなくなってきます。

好きな音楽を聴いてもなにも思わず、好きなゲームをしてもなにも楽しくなくなります。

症状が様々ですが、うつ病は精神科の専門医でも診断が難しい病気と言われています。

うつ病の病型分類

うつ病は病型によって分類することができます。「産後」「季節型」「非定型」「メランコリー型」などがあります。

「産後」のうつ病は、大体産後4週間以内に発症します。妊娠出産に伴うホルモンバランスの変化、出産の疲労、これからの育児に対する不安、授乳による睡眠不足、その他の病気によって影響される考えられます。産後うつは近年増加傾向にあり、社会環境、家庭環境の変化(ワンオペ育児など)が影響されていると考えられます。

「季節型」はある特定の季節にうつ病を発症し季節が変わっていくと症状が落ち着いていきます。どの季節でもおこるのですが、冬季うつ病が多く日照時間との関係が指摘されています。

「メランコリー型」は、いわゆる典型的なうつ病です。さまざまな仕事や人間関係、責任などのストレスに適応しているうちに、脳機能が低下して(エネルギーがなくなるような)しまう状態です。特徴としては、食欲不振、体重減少や朝の気分の落ち込みが強い、いいことがあっても一切気分が晴れない、早朝に目が覚めてしまうなどがあります。

うつ病と双極性障害

双極性障害(躁うつ病)はうつ状態と躁状態を繰り返す病気です。うつ病の場合はうつ状態だけがずっと続く状態です。

ちなみに躁状態とは、気分がすごく高揚し、すごく開放的になったり怒りっぽくなったり、ずっとしゃべり続けたり、自分は何でもできるという感じがして眠らなくても大丈夫な状態になります。

双極性障害の人はこの躁状態とうつ状態という両極端の激しい変化が繰り返されます。

 

うつ病の原因

うつ病の原因は十分わかっていませんが、「心理的なストレス」「脳内の変化」「体質」が原因と言われています。

「心理的なストレス」では、大切な人やモノを失う喪失感、転職や入学、引っ越しなどの大きな環境の変化、人間関係などのストレスによるものがあります。

「脳内の変化」では、脳神経細胞同士でやり取りされている神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン)の減少やバランスの変化が原因だという説があります。1960年代に抗うつ効果のある薬を研究したところ、抗うつ薬を投与した動物の脳内でノルアドレナリンやセロトニンなどの神経伝達物質が増加していることがわかりました。そこからうつ病はこれらの神経伝達物質の減少によっておこるという仮説ができそれを基に抗うつ薬が製薬されたのです。

しかし、抗うつ薬を飲んでからすぐに神経伝達物質が増加するのに、抑うつ効果が表れるには数週間かかったり、又この神経伝達物質を減少させる薬を飲ませてもすべての人がうつ病になるわけではない、ということからこの仮説では十分に説明することができていません。

「体質」では、その人の性格が影響するようです。うつ病になりやすいとよく言われる人は、気を使う人、自分に厳しい、完璧主義、生真面目などがあります。そのような性格のためにストレスを受けやすいと考えられています。

うつ病遺伝子研究

うつ病ではある特定の遺伝子があればうつ病になるという遺伝子はありません。全く同じ遺伝子を持つ一卵性双生児の一方がうつ病になった時もう一方は必ずうつ病になるわけではないということからわかります。

遺伝子においては複数の遺伝子が絡み合ってうつ病に対するかかりやすさ(脆弱性)が遺伝すると考えられます。

このような脆弱性のもとに生育環境、ストレス、性格など様々な原因が影響、絡み合ってうつ病になると考えられています。

 

うつ病に対する現代医学的治療方法

うつ病診断の課題

うつ病を診断するのは専門の精神科医でも難しいものと言われています。それはなぜかというと、うつ病では病気を診断するための客観的指標がないことです。

血液検査で数字としてわかる血糖値やコレステロール値のような客観的にわかる数値を示せないため、診断には問診に頼らざるを得ない状況です。

しかし現在は客観的検査として「光トポグラフィー検査」が鑑別診断の補助に使われています。この光トポグラフィー検査とは頭皮に近赤外光を当てて反射して戻ってきた光を分析することで、脳表面の血流を測定し、脳の活動パターンがうつ病、双極性障害、統合失調症のどのパターンと類似するかを調べていきます。現段階では単独で診断に使うのではなく、診断の補助に使われています。

うつ病の治療方法

うつ病に対する現代医学的治療方法は基本的に4つあります。「休息」「薬物療法」「精神療法」「環境調整」です。

「休息」まず休息をしっかりとることが必要です。もううつ病になっているということは体がかなり弱っているということですので絶対てきに休息しなければなりません。特に急性期は休息が重要です。

「薬物療法」では、現在日本で用いられている主なうつ病治療薬は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン、ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)といわれる抗うつ薬です。これらは脳内神経伝達物質にたいして作用する薬です。

患者さんの症状に合わせて、抗不安薬、睡眠薬などが処方されます。これらの薬は飲んですぐに効果が出ず焦らずに服薬を継続する必要があります。また勝手に増やしたり減らしたりすると、副作用が起きたりうつ病が慢性化する可能性がありますので主治医の指示に従うことが大切です。

「精神療法」では一般的に「認知行動療法」「対人関係療法」などがあります。うつ病の原因となったストレスを振り返り対処法を考え学んで調子のいい状態を維持していきます。

「環境調整」ではストレスを受けている環境を変えるということです。例えば仕事のストレスが大きいようであれば転職をするなどがあります。

その他の治療法として「高照度光療法」や「経頭蓋磁気刺激法」などがあります。

高照度光療法とは、非常に明るい(2500ルクス以上)の光を1日に1~2時間程度照射する治療法です。

経頭蓋磁気刺激法とは、頭に密着させた専用の器具から磁場を発生させ、特定部位の神経細胞を繰り返し刺激して、脳活動を回復させる方法です。

うつ病に対する東洋医学的鍼灸治療法

うつ病の原因として、環境のストレスや性格、脳内神経伝達物質の異常、遺伝などを書きましたが、東洋医学的には病の原因を三つに分けてます。それは、「内因」「外因」「不内外因」の3つです。

内因

内因とは、怒・喜・思・憂・悲・恐・驚の七つの感情が原因になるものを言います。この感情が過度になると病気を引き起こすと考えられています。

外因

風・寒・暑・湿・燥・火という六つの気(六気)という外部環境のことを言っています。これらの外部環境が人間にストレスを与え病気になります。

不内外因

不内外因とは、不適当な飲食・過労・外傷・房事(セックス)等のことを言います。

うつ病になってしまう原因はこの三因が複雑に絡み合って病気になっていきます。

当院の治療法(積聚治療)ではこの3因に負けてしまうように体が弱ってしまっている状態で、生命力が低下していると考えます。ですので治療方針は生命力を上げていき自然治癒力を高めていくという方針になります。

施術は鍼をしていきながら、頸肩等の緊張が緩むのを確認していきます。頸肩等が異常に緊張してしまっている根本原因は生命力の低下になりますので、これが正常な硬さになってきたら生命力が回復してきているという事になりますので、うつ病のその他の症状も治まっていきます。

当院は東洋的発想を基にした治療法である積聚治療を行っています。積聚治療について

 

うつ病治療では首の治療が大切

うつ病を鍼灸治療していく場合、首の治療がとても大切になってきます。なぜなら首は脳血流に関係してくるところだからです。

上記でも書いた通り、脳神経伝達物質の減少、バランスによっておこる可能性があると書きました。脳血流量は、これらに影響していきますので、首で血流を阻害しているものがあればそれを取り除かなければなりません。

首には昔頭を強く打ったやケガなどがありましたら、首の骨(頸椎)に影響がいきケガの後遺症が残っている可能性があります。首の骨を押して痛かったりしたらその影響の可能性が高いです。

鍼で異常な首の筋緊張をやわらげたり、血流を良くさせたりすることにより脳への血流を改善し脳機能を正常に戻していきます。

首の治療もとても大切ですが根本的に生命力を高めるのが大前提として大切になってきます、

尻もちでのお尻強打、尾骨骨折がうつ病の原因になることがある。

うつ病や精神疾患の原因として「尻もちをつく」「尾骨骨折」などが原因になることがあります。良くあるのがスノーボードでの臀部強打などです。このお尻を強く打つと、衝撃が背骨を伝って脳にまで達します。この衝撃がきっかけでうつ病を発症することがあります。

尾骨あたりに押すと痛みがる場合これが原因になっている可能性があります。

また尾骨というのはしっぽの名残であります。動物はしっぽで感情を表現したりしますので、このしっぽに対する影響が感情にも影響が行く可能性が高いのです。

 

うつ病によって乱れる自立神経のバランス

うつ病にかかると内臓や筋肉体の無意識の働きをつかさどっている自律神経の働きが悪くなります。

自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、この二つの神経の働きがバランスを取って内臓や筋肉を動かしています。

下図自律神経の働き(一部)

上記の図は一部だけですが、自律神経はさらに多くの働きをしています。

ですので、自律神経のバランスが乱れると様々な不調が出てきます。詳しくは自律神経失調症についてをご覧ください

鍼灸治療は自律神経を整えるのが得意

鍼灸治療というのは実は自律神経を整えるのが得意です。というよりも鍼灸では自律神経の反応を用いて治療していくのです。

当院では鍼灸をしながら都度筋肉の状態や、痛み、感じ方の変化を詳細に確認しながら、鍼灸の刺激が体にどのように影響しているかを把握しながら施術していきます。

ですので鍼をさしっぱなしでおいておくのではなく、針をしながらずっと体の変化を確認しています。このほうが自律神経に対する適切な鍼灸の刺激を与えることができるのです。

鍼をしていると鍼をしたところとは別の場所がすごく緩んできます、これは針の刺激が副交感神経の活動更新させ、筋肉を弛緩させているのです。針の刺激に自律神経はすごく反応しますので、自律神経を整える治療法としては一番効果があると感じています。

 

うつ病で悩まれている方へ

うつ病で悩まれているか方は非常に多くいらっしゃいます。

現在病院で治療されているかた、うつ病かもしれないと思っている方、またうつ病になるのではないかと心配されている方。

私の友達にもうつ病で悩まされている人がいます。本当に辛そうにしているのを見るとどうにかして楽にしてあげられないかといつも思います。

鍼灸治療でのうつ病治療についてもさまざまな研究がおこなわれており、有効性が示されています。精神疾患ですと飲む薬が非常に多くなる人が多いと思います。病院での治療と合わせて、鍼灸治療で全身を整えていき生命力を上げていけば早く治ります。そして生命力を高めていくことにより、うつ病だけでなく、様々な病気にかかりづらくなります。

鍼灸治療は本当に悩まされているかたの大きな一助になると確信しています。悩まされているかたは是非一度当院にご相談ください。

院長新垣智一

大森くれよん鍼灸院積聚治療のながれ

ネット予約 しんきゅうコンパス
電話     03-6417-1114
メール   tomoshin0911@gmail.com
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