片頭痛
症状
片頭痛の症状として特徴的なのが、頭の片側の主にこめかみから目の辺りにズキズキと脈を打つような痛みが出ることです。多くの場合は片側に痛みが出ますが両側に出る場合もあります。
またひどいと吐き気をきたし、嘔吐してしまうことがあります。
片頭痛持ちの2割の人には前兆症状が出ることがあります。片頭痛の前兆症状として起こるのが「半盲(視野が欠ける)」「ギザギザした光が見える(閃輝暗点)」などの症状があります、この前兆症状が出た後に片頭痛特有のズキズキとした痛みが出てきます。
普段は気にならない音や光に過敏になり、暗い静かなところでじっとしているのが楽に感じられます。日常生活の動作で頭痛が悪化するので寝込んでしまうこともあります。
原因
片頭痛が起こる原因は、なんらかの原因で脳の血管が急激に拡張することにより周囲の三叉神経を刺激し、さらにその刺激によって発生した炎症物質がさらに血管を拡張させ片頭痛を引き起こします。
急激な血管の拡張が起こる原因としてストレスから解放された時というのがあります。緊張で力が入っているのが急に抜けることにより、血流がブワッと流れ血管を急激に拡張させます。
なので仕事のない週末などに片頭痛が起こる場合があるのです。
また、寝過ぎ、寝不足、ホルモンの変動、空腹、疲労、光や音の強い刺激が原因となることもあります。
現代医学的治療法
片頭痛に対する現代医学的な治療法は以下のものがあります。
などがあります。
月に数回と頻度が少ない人は一般的な鎮痛薬で痛みを抑え、生活への影響が大きくなければ痛みが出たら都度薬を飲むという対応に多くはなります。
一般的に知られている頭痛薬として「ロキソニン」「バファリン」「イブ」など非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs)と言われるものがあります。これらの薬は発痛物質であるプロスタグランジンの生成を阻害して痛みをやわらげていきます。
一般的な頭痛薬でも効かない場合、医療機関では片頭痛に対してトリプタンと言われる薬が処方されます。トリプタンは広がりすぎた脳の血管を元の大きさに戻す作用があります。
血管を元の大きさに戻すことにより、三叉神経を圧迫されなくなるので痛みが落ち着いてくるということです。
さらに吐き気の出る人には鎮痛薬と一緒に制吐剤が処方されます。
また漢方が効果を出す場合があり、以下の漢方が使われることがあります。
- 呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
- 桂枝人参湯(けいしにんじんとう)
- 釣藤散(ちょうとうさん)
- 葛根湯(かっこんとう)
- 五苓散(ごれいさん)
漢方はその人の体質に合わせて出されますので、痛みを抑えるだけでなく痛みを出づらくさせる効果も期待できます。また、副作用の可能性も低いので、飲むのは安心です。
ま片頭痛が出た時、血管が拡張して出ているのでこれを氷などで冷やすと痛みが落ち着いてきます。
東洋医学的鍼灸治療法
片頭痛は根本的な生命力を高めていく
当院では全ての病の原因を生命力の低下したことによりでた症状と考えます。
人間を動かしている力を総称して生命力と言っています。この生命力が何らかの原因で低下してしまうともともと弱いところに症状が出やすくなります。
片頭痛の起こる原因としてストレス、睡眠、月経周期、天候など様々あります。これらのストレスに体が負けてしまうと血管の正常な拡張縮小をする機能がうまく働かなくなり、一気に血管が広がってしまい片頭痛が起きるのです。
生命力が低下することにより、弱りやすいところに症状が出てきます。
そもそもストレスの負けないような丈夫な体(生命力の高い身体)であれば血管の収縮、拡張きのうは正常に働き、一気に広がって片頭痛を引き起こす事はないのです。
ここで大事なことは、すべてストレスが原因なのではなく、ストレスに負けてしまう生命力の低い体が原因だということです。ですので大きな治療方針としてはこの痛みを和らげることよりも生命力を高めるということに重きを置きます。
当院は東洋的発想を基にした治療法である積聚治療を行っています。積聚治療について
昔のケガが影響している可能性
子供の時に大きく頭を打った、背中を打ったという既往がありましたらその打った時の衝撃が体に残って見えない古傷として残っている場合があります。
この場合頸椎や頭を押したりすると痛みとして反応が出ます。特に頭を強く打った衝撃がありますと、首に見えない後遺症が残りそれが首の血流を慢性的に悪くしていきます。長年片頭痛頭痛に悩んでいる方はこの頚椎に反応が出ることがよくあります。
ですので、針でのこの処置をすることが必要になってきます。
片頭痛は自律神経の乱れも影響している
片頭痛には自律神経の乱れが影響しています。
自律神経失調症についてはこちらから
自律神経の機能として血管の拡張収縮作用があります。ですので自律神経の乱れによって片頭痛が出ている可能性高いのです。
無意識的なところを動かしているのが自律神経なのですが、片頭痛の場合、この自律神経のうち交感神経が血管を収縮させる作用があります。
ストレスなどで常時血管が収縮していると、ストレスから解放された時交感神経の働きが一気に弱まり血管が拡張するのです。
例えるなら、ずっと持久走をしていてもう体力も限界というところでゴールにつき一気にそこで倒れてしまうような感じです。
交感神経優位の時間が長すぎて、スムーズに副交感神経への切り替わりが行われないのです。
治療をしていく上で自律神経の乱れを整えるということは大事になってきます。さらにこの自律神経系が乱れてしまう根本的な生命力の低下を挙げていくことが最も大事なことになります。
痛みを抑えるだけでなく片頭痛の出づらい体質へ変えていくのです。
頭痛お持ちの方へ
頭痛に悩まされているかたはたくさんいらっしゃいます。私の知り合いや友達にもいます。頭痛の根本的な治療法は今のところあまりなく、痛みを抑えるという対症療法しかないのが今のところです。
頭痛薬の常備かた卒業したいという方に鍼灸はお手伝いできます。
根本的に生命力を高め、身体全体を整え、身体を丈夫にしていくことにより、頭痛の出づらい体出ない体へ変えていきましょう。
生命力を高めていくことにより、頭痛だけでなく体が根本から強くなってきますので根本的に病気や怪我のしづらい体になっていきます。
院長 新垣智一